頭の中で反芻。想いがちょっとだけ通じて、君とトイレの前で鉢会わせたね。
挨拶のひとつでもすればいいのに、待ち伏せしてると思われたらどうしようと
余計なことを考えたマワルは、マスクが片耳からはずれたぶざまな格好で口を
開けて立ってるしかできなかったよ。
実はねマワル、君のパンツ見たことがあるんだ。
女だからさ、難なくロッカー入れるし。たまたま君が着替え中にズボン脱いで
る姿見ちゃった。そのパンツの鮮やかな色彩は今も頭の中に焼き付いている。
まるっこいお尻も覚えてる。なんだか泣きたくなってきたよ。
マワルはクマだのうさぎだのが森で集合している、き○がいみたいなパンツを
愛用してるわけだけど、そんなことここで書くのもどうかなと思うし、君の着
替えを実況しちゃうなんて最低だなって思う。最低で最高の気分だよ今。
何のいたずらか、おっさんの魂が間違って女の身体に入った。
時々そんなふうに思うよ。だから振り返ってみるといつも、恋人たち(男)と
は「男と女」っていう甘いぬるっとした関係ではなく、おっさん同士がやらし
い話して飯食ってる、ほんとそんな感じで過ごすさ。ロマンスのロの字もない。
なんというか、自分におっぱいがついてること。遠慮がちについてる二つのそ
れや、何も生えてない股間を見るたびに変な気持ちになるよ。おっさんにこん
なもの与えていいの?って。さすがに自分には欲情しないけども。
こんな人を野放しにしてると、女子ロッカーにも銭湯にも入り放題だよって思
うけど、実際女なのだから問題はない。しかし、女子専用車両は好きじゃない。
ああいうのに乗ってる人の中にマワルの好みの子は居ないんだ。大分話がずれ
たけど。
あの娘のメアドだけでも聞き出そうと思ってるのに、なかなか聞けない。メル
友にすらなれない。そもそもメールとかしそうにない。今時の女の子なのに携
帯いじってる姿さえ見たことがないよ。いつも本読んでるか、寝てる。不機嫌
そうな顔してる。と思ったら、やさしい目で窓の外を見てる。大好き。
大好き。それだけが言いたかった。
どんなに不細工だとしても男子に告白されたほうが、君にとってはマシかもしれ
ない。マワルは女で、しかもちょっと気持ちわるくて、あたまもアレなんだ。
でも心に咲いた花のような君が大好きなの。舞い降りて来た天使みたいな君が
大好き。そして存在するだけでうれしくさせてくれた君に感謝してるよ。
ここに密やかに告白します。